スリンキーの自由落下 (Free-Fall-of-Slinky)

その他
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※こちらのサイトを参考にさせていただきました。

Slinky-01

ばね状おもちゃ『スリンキー』を落下させると面白い落ち方をします。
明らかに普通の物体の落ち方と異なるのですが、今回はそれを数式を用いて証明していきたいと思います。

数式は理解できなくても、問題ありません。
このような不思議な現象も数式で表せることを知ってもらえれば十分に思います。
Slinky Drop Answer
お急ぎの方は一分間飛ばしてください

数学的証明

バネに伝わる縦波の変位 $u(x,t)$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} ばね定数 k\\ 線密度 \sigma \\ 自然長 L \\ バネの張力 F \\ のび \Delta L \\ ひずみ\frac{\partial u}{\partial x} \\ 対する力kL\frac{\partial u}{\partial x} \end{array} \right. \end{eqnarray} であり $x$と$x+dx$との間に働く力は $kL\frac{\partial u^2}{\partial x^2}$となる。 また、力は
\begin{eqnarray} F = m\underbrace{\frac{\partial x^2}{\partial x^2}}_{a(x^{”})} \\ \end{eqnarray} となるので,
\begin{eqnarray} \sigma dx\frac{d^2u}{dt^2} &&=&& kL\frac{\partial u^2}{\partial x^2}dx \\ \\ \frac{d^2x}{dt^2} &&=&& \frac{kL}{\sigma}=c^2\frac{{\partial}^2 u}{\partial x^2} \\ \\ (c &&{\equiv}&& \sqrt {\frac{kL}{\sigma}}) \end{eqnarray}
~ばねを鉛直につるした場合のばねののび~
下端はその下にばねが存在しないため、ばねののびは0となる。
上に行くほどそこから下に存在するばねの重さがかかり、のびは大きくなる。
重力を考慮した式は
\begin{eqnarray} \frac{d^2x}{dt^2} = c^2\frac{{\partial}^2 u}{\partial x^2}+g \end{eqnarray} となる。
ばねの上端をx=0,下端をx=Lとすると境界条件は,
\begin{eqnarray} \frac{\partial u}{\partial x}\mid_{x=L} = 0 , u_0(0) = 0 \\ \end{eqnarray} 弾性力と重力が釣り合い静止するので
\begin{eqnarray} c^2\frac{{\partial}^2 u}{\partial x^2} &&+&& g = 0 \\ \\ \frac{{\partial}^2 u}{\partial x^2} &&=&& -\frac{g}{c^2} \\ \\ \frac{\partial u}{\partial x} &&=&& -\frac{g}{c^2}x+D_1 \\ \\ \end{eqnarray} 境界条件から
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \frac{\partial u}{\partial x}\mid_{x=L} = -\frac{g}{c^2}L+D_1 = 0 \\ ∴ D_1 = \frac{g}{c^2}L \\ \\ {\frac{\partial u}{\partial x}} = -\frac{g}{c^2}x+\frac{g}{c^2}L \\ ∴ u= -\frac{g}{2c^2}x^2+\frac{g}{c^2}Lx+D_2 \\ \end{array} \right. \end{eqnarray} 境界条件から
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} u_0(0) = -\frac{g}{2c^2}0^2 + \frac{g}{c^2}L\cdot0+D_2 \\ ∴ D_2 = 0 \\ \\ u_0(x) = \frac{g}{2c^2}x(2L-x) \\ ここでばねの質量は m=\sigma\cdot L \\ ∴ u_0(x) = \frac{mg}{2kL^2}x(2L-x) \\ \end{array} \right. \end{eqnarray} 下端の変位は
\begin{eqnarray} u_0(L) &&=&& \frac{mg}{2kL^2}L(2L-L) \\ &&=&& \frac{mg}{2k} \end{eqnarray} つまり$F = kx = m{\alpha}$の半分となる。
また、各点のひずみ(のび)は微分となるので
\begin{eqnarray} u'(x) &&=&& \frac{g}{2c^2}(2L-2x) \\ &&=&& \frac{g}{c^2}(L-x) \end{eqnarray} となり、xが増えるにつれ(下端に行くほど)ひずみ量は減少し、下端で0となる。


~静止したばねを自由落下させた場合~
ばねの波動方程式は
\begin{eqnarray} \frac{d^2u}{dt^2} = c^2\frac{\partial u^2}{\partial x^2} + g \\ \end{eqnarray} となる。ここで、両端が自由端なので
\begin{eqnarray} \frac{\partial u(0,t)}{\partial x} = \frac{\partial u(L,t)}{\partial x} = 0 \\ \end{eqnarray} 初期条件は
\begin{eqnarray} u_0(x) = \frac{g}{2c^2}x(2L-x) \\ \end{eqnarray} です。ここで
\begin{eqnarray} U(x,t)\equiv u(x,t)-\frac{1}{2}gt^2 \\ \end{eqnarray} とおくと
\begin{eqnarray} \frac{{\partial}^2 U}{\partial t^2}&&=&&\frac{{\partial}^2 u}{\partial t^2}-g \\ \\ \frac{{\partial}^2 U}{\partial x^2}&&=&&\frac{\partial u^2}{\partial x^2} \\ \\ \frac{d^2U}{dt^2}&&+&&g=c^2\frac{{\partial}^2 U}{\partial x^2}+g \\ \\ \frac{d^2U}{dt^2}&&=&&c^2\frac{{\partial}^2 U}{\partial x^2} \\ \end{eqnarray} と置き換えることができる。境界条件は
\begin{eqnarray} \frac{\partial U^2(0,t)}{\partial x}&&=&&\frac{\partial U^2(L,t)}{\partial x}=0 \\ \\ U(x,0)&&=&&u_0(x)=\frac{g}{2c^2}x(2L-x) \\ \end{eqnarray} です。
ここで、波動関数の解法による
\begin{eqnarray} f(x)=\frac{1}{2} u_0(x)(0<x<L) \end{eqnarray} を元に2L周期の偶関数を作ると
\begin{eqnarray} U(x,t) &&=&& f(x-ct)+f(x+ct) \\ u(x,t) &&=&& f(x-ct)+f(x+ct)+\frac{1}{2}gt^2 \end{eqnarray} を得ることができます。

ばねを自由落下させた場合、ばねの下端はいずれ落下するので、静止しているかどうかは初期の時間を計算すればいいこととなる。
$(ct<x<l)の場合$ \begin{eqnarray} u_0(x) &&=&& \frac{g}{2c^2}x(2L-x) \\ f(x) &&=&& \frac{1}{2}u_0(x) \\ u(x,t) &&=&& f(x-ct)+f(x+ct)+\frac{1}{2}gt^2 \\ \end{eqnarray} から
\begin{eqnarray} u(x,t) &&=&& \frac{1}{2}u_0(x-ct)+\frac{1}{2}u_0(x+ct)+\frac{1}{2}gt^2 \\ &&=&& \frac{1}{2}\frac{g}{2c^2}\{(x-ct)(2L-x+ct)+(x+ct)(2L-x-ct)\}+\frac{1}{2}gt^2 \\ &&=&& \frac{g}{2c^2}(2Lx-x^2-c^2t^2)+\frac{1}{2}gt^2 \\ &&=&& \frac{g}{2c^2}(2Lx-x^2) \\ &&=&& \frac{g}{2c^2}x(2L-x) \\ &&=&& u_0(x) \\ \end{eqnarray}
となり、初期値と同じになる。つまり、下端の位置は変化しないこととなる。(ct=Lまで)
ct=Lとなった後はスリンキーは一体となって落下する。$(< / x < / x < l)$
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